古民家情報 ≫ 古民家を知る ≫ 6日目|古民家の移築再生に挑む【解体編】

【6日目】解体完了。山梨で再生へ

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地上に姿をとどめる部材も残りわずか。前日の怒濤のような作業で解体終了も時間の問題と思われたのですが、最後の難関が待っておりました。

倒壊の危険を防ぐため、柱や梁、桁などの主要構造材はある程度まとまった状態で取り外し、平地に寝かせてから分解します。屋根の重みを長年にわたって支えてきた部位ともなると、ほぞががっちり食い込んでいるのでばらすのも一筋縄ではいきません。無理矢理、外そうとして折れたりしてしまったら元も子もありませんから、慎重に慎重に。クレーンで逆さづりにして、職人さんたちが入れ替わり立ち替わり、バールやジャッキ、木槌を用いて徐々に接合部分を緩ませ、1時間以上かけてようやっと分解に成功したのであります。

気が付くと、奥の現場では最後まで残っていたコーナーの柱組みが静かに横倒しにされました。…終わったんだ。解体初日には辺り一面を覆っていた雪もすっかり解けてなくなり、春の訪れを感じさせるぽかぽか陽気に包まれて、歴史ある茅葺き古民家はこの地での終焉の時を迎えたのでありました。

6日間という解体日程が早かったのか、時間がかかったのかは分かりません。ただ、これが廃棄するための解体であったなら一日、二日のあっという間に重機で粉々にされ、全てがゴミとして処分されてしまったことでしょう。

今回の古民家移築再生プロジェクトの事業主である不動産会社(株式会社ふるさと企画)さんによると保存された部材は4tトラック約3台分。現在は山梨県内で大切に保管され、再生の日を待っているそうです。

同社としては山梨県北杜市にある提携先の所有地の購入者、もしくは同県内にご自身で土地を用意できる方を対象に保存してある部材を提供したい考え。参考のため作成された建築プランがありますので、概要についてはこちらをご覧ください。

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