◆観光農園はなぜ儲かるのか?
近年、儲かる農業として注目を集めているのが観光農園です。農産物の収穫体験ができる農園です。
栽培する農産物はサツマイモ、キャベツ、白菜といった野菜類、そしてイチゴ、メロン、ブルーベリー、りんご、サクランボといった果樹類があります。
観光農園のメリットは、
(1)収穫の手間が省ける
(2)農作業の軽減
(3)自ら値段設定ができる
などが上げられます。
例えば、ブルーベリーのような果樹の場合、収穫はほぼ手作業に頼ることになり、大変な労力が必要となります。枝切り、受粉作業、花摘み、袋掛けといった作業も同じです。
ところが観光農園方式にすると、こうした作業の一部を、観光客に委ねることできます。最近は「食育」という教育面からも、農業に注目が集まっており、「農業に触れ合いたい」という消費者のニーズも高く、人手不足に悩む農家にとっても悪い話ではありません。いわゆる「Win-Win」の関係を築きやすくなるわけです。
◆ビジネス手腕が試される観光農園
とはいえ、田舎くらしで観光農園は始めるには、一般的な農園に比べるとリスクもあります。
(1)初期投資が高い
(2)接客やサービスが重視される
(3)経営手腕が必要
観光農園の場合、お客相手の商売もあるため都心からのアクセスを考えると、ある程度エリアが限定されます。都心に近くなれば、それだけ土地の値段は高くなります。
また観光バスなどが駐車できるような大規模な農園にするなら、その分だけ初期投資がかさむのは避けられません。
さらにどんな野菜や果樹を植えるのかも問題になります。果樹は野菜以上に気候に左右されるので、その選択を間違うと大変なことになります。
イチゴは観光農園の中でも採算がとれやすいといわれていますが、それはイチゴの人気が高いこともありますが、環境に左右されにくいためです。
さらに決定的な違いは、観光農園は接客やサービスが重視されるということです。来園者に満足してもらえることが、リピートにつながります。そういった意味でも時代をとらえる経営手腕も必要になります。
来場者を集めるためには宣伝も不可欠。ホームページは当然として、マスコミや旅行代理店を利用するなど積極的なアピールも必要になります。これらのことを考えると、観光農園はのんびりと田舎くらしを楽しみたい人よりも、ビジネスとして農業を考える人向きなのかもしれません。
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