リフォームの知恵
柱や梁が黒光りしている古民家を見たとき、これをどのようにリフォームしようかと考えていると胸が躍りますね。時代劇に出てくるような屋敷に改造して住んでみたい。この家はただの百姓家だったかもしれないけれど、庄屋さんが住んでいるような立派な家屋にして住んでみたい…。このように様々な夢を実現するのもあなたのアイデア次第です。
基礎は単に礎石を置いた上に柱を乗せただけということが多いので、その状態を保存したまま基礎をコンクリートで打ち直します。柱がゆがんでいたり、傾いていたりする場合はかなりおおごとです。茅葺きの屋根は重量があるので長い年月の間に傾いてしまっていることも少なくないのです。まずは構造体のこのような問題を適切に解決しましょう。
茅葺き屋根は風情があっていいものですが、葺き替えには費用がかかります。十年に一度くらいの全面葺き替え以外にも毎年傷んだ部分だけを補修する「差し茅(さしかや)」も行なう必要があります。費用と手間を節約しながら、風情ある屋根の景観を保つために瓦風にみえるトタンやスレートの建材なども市販されていますのでそれらを兼用するのも一案でしょう。
トイレはそのほとんどが汲み取り式です。台所も粗末なことが多いです。これらの設備は思い切って最新の機能を備えたものに取り替えることをおすすめいたします。内装はお好みに合わせていかようにでもできます。建具に不足を感じれば古道具屋さんなどで購入して入れ替えるのもいいですね。現代社会に生きる私たちです。何も和室にこだわることもありません。
一部屋くらい洋室があったほうが使い勝手がいいでしょうね。あえて和洋にこだわらず、こだわりの部屋を和風にデザインして洋風のライフスタイルで過ごしてもいいわけですから。皆さんの知恵の出し方次第であなただけの素敵な古民家が甦りますよ。