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古民家の移築再生に挑む【解体編】

日頃より古民家情報館に協力していただいている不動産会社の株式会社ふるさと企画(本社・川崎市)さんが新潟県上越市名立区で滅失する運命にあった古民家を買い取り、移築再生事業に乗り出しました。当該の古民家は2007年3月の下旬に解体され、のべ6日間の作業工程に同行取材させていただくことができました。古民家情報館その貴重な現場の取材記録を皆さまの今後にお役立ていただこうという気持ちでここに公開しておきたいと思います。

作業工程|もくじ

  1. 解体初日
  2. 2日目
  3. 3日目
  4. 4日目
  5. 5日目
  6. 6日目
  7. 再生プラン始動

【解体初日】残雪の中、解体はじまる!

*それぞれの画像をクリックすると拡大表示します。

目的の古民家はJR北陸本線名立駅から内陸方面へ6キロほど行った田園地帯にありました。現場にはまだ雪が残り、風も冷た~い。とても貴重な古民家の解体作業をするのに好ましい環境とはいえない天候です。「何もこんな季節の変わり目に工事を設定しなくとも、暖かくなるまで待てなかったの…?」と心の中でつぶやきつつ、半ばふてくされ気味に「雪の中、大変ですね。ご苦労様です」と職人さんに引きつった笑いを投げかけてみたのです。

すると職人さん、にっこり微笑み返し「な~に、こういう家屋の部材を解体保存するときは、雪がある時期のほうが好都合なんだよ。材を傷つけずにすむし、万一、倒壊したときもクッションになるからね」なるほど、やっぱりその地域、地域にはぐくまれた知恵があるのだなと、到着早々、自分の無知と大人げない気分を恥じ、いたく感心させられた次第です。

ただ、ことしは記録的な暖冬で、せっかく積もっていた雪も2、3日のうちに解けてなくなってしまいました。作業の後半は足場がぬかるみ、これにはさすがの職人さんたちも閉口気味の様子でした。上掲写真のとおり、解体初日の作業は室内の壁を取り払ったり、残す部材を選定して識別番号を書き入れるなどの下準備が進められました。

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