古民家情報 ≫ 古民家を知る ≫ 3日目|古民家の移築再生に挑む【解体編】
【3日目】前半最大の山場、茅葺き屋根の撤去】
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どんより曇って雨もぱらつき、肌寒い1日となった解体3日目。この日の作業のメーンは、トタン葺きの下に出現した茅葺き屋根の撤去であります。
まずはてっぺんの棟飾りの部分を取り除かなければなりませんが、その骨組みが頑強であったためか人力による解体作業はかなり手こずっておりました。しかし、最終手段ということでワイヤをかけて重機で引きずり降ろすという「荒技」を用いてどうにかこうにか屋根本体の取り壊しにかかれる状態にこぎ着けました。
次のステップは、幾層にも重なって下地のよしず張りとともに小屋組み材に固定された茅を取り払う作業。屋根裏にもぐりこみ、結わえられた縄を内側から切断してやる必要があります。作業用ライトはあるものの、手足を動かす度にスス埃が舞い広がり、視界を曇らせる劣悪な原場環境。建物の老朽化も手伝って、ちょっとしたミスが小屋組みの倒壊にもつながりかねないとあって、ふだんは陽気で話し好きの職人さんも、ここでは寡黙に作業に打ち込んでいました。
事実、縄切りの作業を終え屋根裏から降りてくるとホッとした表情をのぞかせ、これまでの「間一髪」や「命拾い」の体験を怒涛のように話してくれましたから。無事に終わって、本当によかった、よかった…。
外から見ても変化は分かりませんが、縄を切ってしまえば、屋根の取り壊しは8割方が終わったという感じ。あとは重機で、ガンガンむしり取っていくだけです。
NEXT:4日目の作業へつづく