自営編-飲食店経営

■資格に資金調達。飲食店経営のハードルは高い

都会で飲食店を経営している人、また飲食店に勤務している人なら、「いずれは田舎に帰って自分の店を」と思っている人も多いのでは。

飲食店の開業のためには、必要となるのは調理師資格だ。

調理師免許を取得するためには

(1)厚生労働大臣が指定する調理師学校に入学し、1年以上調理師として必要な知識や技能を修得した人が調理師学校を卒業し、各都道府県に調理師免許の交付申請をする

(2)調理師学校は行かずに、中学教育卒業後2年以上料理店または飲食店などで見習いや助手を務め厚生労働大臣が定めている基準の都道府県知事が行なっている調理師試験に合格する

というのが代表的な例だ。調理師免許がなくても、調理師免許を持った人間を雇い、オーナーとして経営・運営にタッチするという方法もあるが、それだけ人件費がかかるので、資金に余裕がなければやはり自ら取得したほうが無難だろう。

▲手打ちそば店の人気のある業種のひとつだ。

飲食店を開業するには、この他に「食品衛生責任者」の資格が必要となる。これは保健所に食品営業の許可申請をするときに必要になるもので、調理師、栄養士、製菓衛生師のいずれかの資格取得者に与えられる。資格を所持していない場合は養成講習会を受講して、資格を取得すればいい。

また、飲食店を開店する場合、不可欠になるのは資金だ。物件取得費、内装費、運転資金など多岐に渡り、自分がやりたいお店をイメージして計算すると、結構高額になるケースが多い。

こうした開店資金や運転資金を全て自己資産だけで補えるのは稀な例で、ほとんどの人は銀行など金融機関から融資を受けることになる。ちなみに金融機関の融資額は自己資産とほぼ同額までと思えばいい。

■都会で流行りの業種・業態が通用するとは限らない

さて、一口に飲食店といっても定食屋、居酒屋、すし屋、そば屋、仕出屋、弁当屋、レストラン、バー、カフェとその業種は色々だ。飲食店を開店する場合、全く未経験の業種を選ぶよりも、やはり経験のある業種を選ぶのがいい。もし経験がないならば、半年、1年と期間を設けてアルバイトなどで経験を積むといいだろう。

その際、注意するのは料理を作る技術だけではなく、その店の接客方法や店舗運営方法を学ぶことだ。料理さえ上手なら客は増えると考えがちだが、接客や店舗運営方法がおざなりになると、繁盛店になるのは難しい。

また田舎暮らしで飲食店を経営する場合、都会で流行っている業種・業態をそのまま持ってきても成功するとは限らない。

▲イタリアンレストランよりパスタ専門店の方が流行ることもある

例えば、イタリアンレストランの開店を目指すとしよう。地元で市場調査をしてもみるとイタリアレストランは一軒もない。ライバル店がないので繁盛間違いなし、と勢い込んで開店。ところが開店当初は満席になったものの、半年もすると客足が減り赤字続きで、結局閉店を余儀なくされるという例は珍しくない。

これは市場調査の結果を見誤ったことが原因だ。東京や大阪などの大都市圏では市場そのものも大きく、外食頻度も高いが、地方の場合はそれほどではない。

1カ月の外食回数が何回で、そのうちイタリアンを食べる回数が何回あるのか。例えばイタリアンは2カ月に1回ぐらいしか食べないが、パスタなら月2回ぐらい食べに行くとなれば、イタリアンレストランよりもパスタ専門店の方が流行る可能性が高い。現地調査という点では、地元のレストランでしばらく働き、動向をみるのもいい方法だろう。

地方の市場では、入手が難しい食材が少なくない。そのために代替品を使った工夫が必要になったり、都会で開店するよりもマイナス面も多々あるが、地元の野菜や肉、魚、新鮮な卵などが手に入りやすく、物件取得費やランニングコストが抑えられるというメリットも多い。

飲食店は繁盛するかどうかは自分の腕次第だし、定年もない。田舎暮らしで生計を立てる手段としてはかなり魅力的な選択肢といえるだろう。

2022.03.4

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