医療・介護の仕事ー音楽療法士 8-28up

◆音楽療法士ー介護、医療現場で必要とされる資格

音楽療法士といっても聞きなれない資格かもしれません。簡単にいうと、心や体に問題を抱えている人たちに対し、「音」や「音楽」を通して心理療法を行うスペシャリストです。認知症や自閉症、精神障害を持った人に対して、音楽を聴いたり、楽器を演奏したりすることで、リハビリテーションをするのが仕事です。

日本においては、その認知度はあまり高くありませんが、音楽療法の先進国といわれるアメリカやドイツでは、学校や企業などでもカウンセリングの手法として用いられることがあり、音楽療法の有益性は広く認められつつあります。

音楽療法士の勤務先としては、高齢者施設、障害者福祉施設などが中心ですが、最近ではなどにも音楽療法が導入されはじめており、今後活躍の場は広がっていくと期待されています。そういった点では、田舎暮らしを考えるうえで有効な資格のひとついえます。

音楽療法士ー介護、医療現場で必要とされる資格

◆福祉や医療だけでなく企業や教育機関でも

音楽療法士は国家資格ではなく日本音楽療法学会が認定する民間資格で、受験資格を得るには次の二つのパターンがあります。

(1)高校卒業後、日本音楽療法学会が認定する学校に入学して、必要なカリキュラムを終了する

(2)日本音楽療法学会が主催する講習会(2年半)を受講する

受験資格を得た後に、筆記試験に合格し、年に一回開催される「学会認定音楽療法士資格審査」に合格すると音楽療法士の資格を取得することができます。思った以上にハードルは高いといえます。

苦労して音楽療法士の資格を取得しても、現在のところ、音楽療法士としての求人は決して多くはありません。就職先としては病院、高齢者施設、特別神学校、学校、NPO法人など多岐に渡りますが、看護師や介護士、心理カウンセラー、教員などが、仕事の幅を広げるために音楽療法士の資格を取得し、必要に応じて音楽療法を実践しているというのが現状のようです。

そのため、音楽療法士の給料は勤務先によってだいぶ異なるのが実情です。精神病院や高齢者施設で生活支援員として働く人も多く、それらの平均でいくと年収で300万円程度といわれています。

しかしながら、うつ病、いじめ、自殺といった社会的な問題への関心が高まっている現代社会では、音楽療法士の必要性がさらに高まることは想像に難くありません。こうした社会問題は都会に限ったことではありません。地方都市でも起きうることです。

今後、音楽療法士の社会的認知度が高まれば、より良い環境かつ幅広い環境で活躍できるはずです。これから田舎暮らしを考えるうえで、職業選択肢のひとつに考えてみてはいかがでしょうか。

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2022.08.30

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