森と自然の魅力を多くの人に伝える
自然とともに暮らせるのが田舎暮らしの醍醐味のひとつです。山や自然と携わる資格のなかで、最も注目されているのが「森林インストラクター」です。
森林インストラクターは、森林を利用する一般の人に対して、森林や林業に関する知識を与え、森林の案内や森林内での野外活動の指導を行うことを目的に、平成3年から、(社)全国森林レクリエーション協会が実施しているものです。
森林インストラクター資格試験に合格し、全国森林インストラクター協会に登録すること
により、森林インストラクターを名乗ることができます。
試験は1次試験の筆記試験と2次試験の実技・面接に分けられます。筆記試験では、森林の仕組み、植物、農林業、レクリエーション、キャンピング、安全の知識、救急処置法などから出題されます。平成21年度の合格率は受験者728人、合格者187人で合格率25.7%と狭き門です。
各都道府県には森林インストラクター会があり、入会すれば試験についてのアドバイスを受けたり、合格者を受け入れているところもあります。
森林インストラクターとして田舎暮らしをするためには、受験する前に活動状況や、先輩森林インストラクターの生の声を聞いてみるのもよいでしょう。
就職先としては地方自治体、自然環境保護団体、アウトドアショップ、森林公園、ボランティア団体などが考えられますが、資格さえ取れば就職できる状況ではないようです。森林インストラクターの多くは、各地の森林インストラクター会に所属し、仕事の依頼があったときに活動するという例が多く、報酬は1日1万円程度が一般的です。安定した収入を得るために最近では自らツアーを企画し、参加者を募る森林インストラクターが増えています。
実務経験を積んだうえで「樹木医」の資格取得を目指す
森林インストラクターとともに注目されている資格に「樹木医」があります。樹木の診断及び治療、後継樹の保護育成並びに樹木保護に関する知識の普及及び指導を行う専門家です。
樹木医になるには、(財)日本緑化センターが実施する樹木医研修を受講し、資格審査に合格後、樹木医として登録されることが必要です。
受験資格は樹木の診断、治療等に関する業務経験が7年以上、また樹木医補の資格を有し、認定後の業務経歴が1年以上の人が対象になり、合格率は20%と森林インストラクターよりも厳しいです。
樹木医は7年以上の実務経験が必要のため、造園業、農林業、建設・設計コンサルタント、植木生産業で働いている実務経験者となります。したがって、将来、樹木医として田舎暮らしを考えるならば、あらかじめ造園業などに転職し経験を積んでおいたほうがいいでしょう。
樹木医というと、天然記念物などの大規模な業務と思われがちですが、最近は園芸や公園などの一般樹木、さらに造園業やガーデニングの世界からもニーズが高まっています。年収も300~800万円と幅がありますが、独立を視野に入れて取り組むことも十分可能かもしれません。
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