都会で飲食店を経営している人、また飲食店に勤務している人なら、「いずれは田舎に帰って自分の店を」と思っている人も多いのでは。
ここでは、移住後、飲食店を始めようと思ってる方へのアドバイスです。
■飲食店の開業のために必要なもの
- ①食品衛生責任者修得は必須。 調理師免許は必要では無い。
- ②資金
①食品衛生責任者は保健所に食品営業の許可申請をするときに必要になるもので、調理師、栄養士、製菓衛生師のいずれかの資格取得者なら無償で与えられる。資格を所持していない場合は養成講習会を受講して、資格を取得すればいい。
②本格的な飲食店を開店する場合、不可欠になるのは資金だ。物件取得費、内装費、運転資金など多岐に渡り、自分がやりたいお店をイメージして計算すると、結構高額になるケースが多い。
こうした開店資金や運転資金を全て自己資産だけで補えるのは稀な例で、ほとんどの人は銀行など金融機関から融資を受けることになる。ちなみに金融機関の融資額は自己資産とほぼ同額までと思えばいい。
■飲食店開業の注意点
- ①料理を作る技術だけではなく、その店の接客方法や店舗運営方法を学ぶこと。
- ②市場調査は必須。都会で流行っている業種・業態をそのまま持ってきても成功するとは限らない。
①一口に飲食店といっても定食屋、居酒屋、すし屋、そば屋、仕出屋、弁当屋、レストラン、バー、カフェとその業種は色々だ。
飲食店を開店する場合、全く未経験の業種を選ぶよりも、やはり経験のある業種を選ぶのがいい。もし経験がないならば、半年、1年と期間を設けてアルバイトなどで経験を積むといいだろう。
その際、注意するのは料理を作る技術だけではなく、その店の接客方法や店舗運営方法を学ぶことだ。料理さえ上手なら客は増えると考えがちだが、接客や店舗運営方法がおざなりになると、繁盛店になるのは難しい。
②田舎暮らしで飲食店を経営する場合、都会で流行っている業種・業態をそのまま持ってきても成功するとは限らない。
例えば、イタリアンレストランの開店を目指すとしよう。地元で市場調査をしてもみるとイタリアレストランは一軒もない。ライバル店がないので繁盛間違いなし、と勢い込んで開店。ところが開店当初は満席になったものの、半年もすると客足が減り赤字続きで、結局閉店を余儀なくされるという例は珍しくない。
これは市場調査の結果を見誤ったことが原因だ。東京や大阪などの大都市圏では市場そのものも大きく、外食頻度も高いが、地方の場合はそれほどではない。
1カ月の外食回数が何回で、そのうちイタリアンを食べる回数が何回あるのか。例えばイタリアンは2カ月に1回ぐらいしか食べないが、パスタなら月2回ぐらい食べに行くとなれば、イタリアンレストランよりもパスタ専門店の方が流行る可能性が高い。現地調査という点では、地元のレストランでしばらく働き、動向をみるのもいい方法だろう。
まとめ
資格取得は容易だが、資金調達。本格的な飲食店経営のハードルは高い、おまけに地方の市場では、入手が難しい食材が少なくない。そのために代替品を使った工夫が必要になったり、都会で開店するよりもマイナス面も多々ある。 が、自宅件店舗なら家賃も不要だし、地元の野菜や肉、魚、新鮮な卵などが手に入りやすく、物件取得費やランニングコストが抑えられるというメリットもある。
飲食店は繁盛するかどうかは自分の腕次第だし、定年もない。田舎暮らしで生計を立てる手段としてはかなり魅力的な選択肢といえるだろう。
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