農業編-酪農・酪農ヘルパー

◆酪農家を目指すなら、まず「酪農ヘルパー」

広大な大地に抱かれてのんびりと牛を育てる――。田舎暮らしを考えるとき、酪農に憧れる人も多いようです。

簡単にいうと酪農は乳牛を育成して牛乳を生産する仕事です。気候の影響を受けにくく、毎日牛乳を搾ることで安定した収入を得ることができるのも人気の要因のひとつです。

一方、酪農は農業の中でも最も休みがとれない業種といわれています。

給餌・飼料、牛舎の清掃、衛生管理、家畜の健康管理、飼料計算、繁殖管理、子牛の育成、経営管理、それになんといっても朝夕の二回の搾乳作業が欠かせないからです。

一般社会では週休二日制が当たり前になっていますが、1年中休みが取れないことも珍しくないようです。のんびり牛を育てて乳をしぼって…、というイメージとは程遠い生活です。そのあたりも後継者不足の要因のひとつといわれています。

そんな休みを取れない酪農家に代わって、日常の作業である乳搾り、牛への食事の給与、牛舎の清掃などを行う職業が「酪農ヘルパー」です。平成2年12月に「酪農ヘルパー全国協会」が設立され、国や地方公共団体も支援している事業です。

▲酪農家はイメージ以上に大変な仕事。

◆ヘルパーで知識・経験に加え、ネットワークを構築する

酪農ヘルパーの仕事は、
(1)搾乳作業
(2)生乳の冷却、衛生管理
(3)飼料給与作業
(4)牛舎、牛乳処理室の清掃作業
(5)人工授精、獣医師の診察、分娩などの補助作業

と多岐に渡ります。酪農家と事前に作業上の注意点を打ち合わせ、2~3人のチームで働くのが一般的です。名称はヘルパーですが、仕事内容はプロの酪農家とほとんど変わりなく、それだけに知識・技術も必要ですし、責任も重くなります。

酪農ヘルパーになるには、「酪農ヘルパー全国協会」に問い合わせた上で、酪農家にホームステイして酪農体験を通して仕事に対する適正を確認するとともに、知識と技術を習得する必要があります。

▲酪農ヘルパーについての情報が集まっている。

酪農ヘルパーは酪農家に就職するのではなく、全国各地にある「酪農ヘルパー利用組合」に勤務することになります。また稀に農協勤務になるケースもあるようです。

待遇や身分保障は農協職員になった場合は問題ないと思いますが、利用組合の職員となった場合には、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険などの保証内容を一応確認しておくほうがいいでしょう。

酪農をゼロから始めるというのは、広大な畜舎、母牛数十頭、搾乳器機、採草機械、初期運転資金、そしてなにより一定規模以上の草地の確保…。そのハードルはかなり高いといっていいでしょう。

そうした意味でも、酪農ヘルパーは経験・知識に加え、ネットワークという大きな財産を築くことができます。ひょっとしたら後継者がいない酪農家から設備等を譲りうける「居抜き継承」のチャンスも生まれる可能性もあります。

将来、酪農家として独立するにしても、そうでないにしても酪農ヘルパーをすることで、多くの酪農家の経営スタイルを学ぶことができます。こうした経験は田舎暮らしをするためにもきっと役立つはずです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

2022.01.5

架け橋便り@田舎暮らしへ戻る
田舎暮らしのためのお仕事講座へ戻る