栄養士は、医療と介護の両分野で活躍できる
政府の対策をよそにわが国の少子高齢化傾向は、ますます進むばかり。このままでは、人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が21%を超える超高齢化社会は避けられそうにもありません。となると、田舎暮らしで生計を立てる手段としては、医療と介護系の資格を持っていると有利です。これまでに医療系、介護系の資格もいくつか紹介していますが、今回からは医療と介護の両分野で活用できる資格をピックアップしてみましょう。
医療と介護の両分野で活躍できる資格として、真っ先に思い浮かぶのは栄養士でしょう。栄養士は栄養バランスのとれた献立を作成し、食事管理など栄養指導を通して、健康保持・増進、疾病の予防、疾病を持つ人にはその治療をすすめる専門職です。
主な就職先は、給食会社、学校、保育園、病院、社会福祉施設、保健所など。とくに社会福祉施設のほとんどは利用者に食事を提供するため、栄養士が必要です。そこでの役目は献立の作成、食材の発注、調理員に対する栄養に関する知識の向上などの指導、給食施設の衛生管理、さらには個々の利用者の状態に応じた献立作成、栄養指導などです。
病院や保健所でも、集団給食施設を持っているところでは社会福祉施設と同様に栄養士が必要になります。医師の治療方針に添った栄養指導もします。このように医療と看護の両方で活躍できる栄養士は、田舎暮らしを考えるうえでは、最も取得価値のある資格のひとつといえるでしょう。
栄養士から管理栄養士へのステップアップも可能
栄養士になるには、厚生労働大臣の指定する栄養士養成校で所定の課程を履修し卒業することが必要です。栄養士養成校には、大学、短大、専門学校があります。卒業者に都道府県知事より栄養士の資格が与えられます。
卒業後、4年制なら1年、3年制なら2年、2年制なら3年の実務経験を積めば、さらにその上の管理栄養士の資格を取り、ステップアップを図ることができるのも魅力です。
ちなみに管理栄養士は国家資格なので国家試験があります。その合格率にはその年によってややばらつきがあり、30~40%ほどとなっています。また年齢制限はないのも、これから田舎暮らしを目指す人にとってもうれしいところです。
栄養士の気になる年収は、地域によっても変わりますが、月給で17万〜22万円、年収では250万〜400万円くらいが相場のようです。決して高いといえませんが、社会的な貢献度も高く、「人の役に立ちたい」という気持ちがある人ならやりがいを感じることができる仕事です。管理栄養士になれれば、その金額もアップします。
病院でも介護施設でも、栄養のバランスだけでなく、おいしさが求められたり、個人個人に合わせたきめの細かいメニュー作りなどが求められる傾向が強くなっています。そのため栄養士へのニーズは今後も高くなっていくことは間違いないでしょう。
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