福祉・介護の仕事編 その2

◆福祉・介護の職につくには資格が不可欠?

ホームヘルパー2級が廃止なり、2013年4月以降、福祉・介護職の入り口が介護職員初任者研修になったことは前回述べました。

では福祉・介護の世界には他にどんな資格があるでしょうか。

福祉・介護の資格には、

(1)国家資格

国や地方自治体、またはその委任団体が試験を実施。資格が法律により定められており、社会的認知度と評価が高い。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士がその代表格

(2)公的資格

民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定。国家資格と民間資格の中間に位置付けられる。旧ホームヘルパー、介護支援専門員(ケアマネージャー)、社会福祉士、手話通訳士、ガイドへルパーなど

(3)民間資格

財団法人、社団法人、社会福祉法人以外の利益団体も試験を実施。歴史は浅いが、時代のニーズにあった資格が多い。介護事務管理士、手話技能検定、点字技能検定試験など

(4)任用資格

公務員として採用された後に、特定の業務につくために必要とされる。社会福祉士主事など

の4つに大別されますが、国家資格が社会的認知度、評価、そして給与面で一歩も二歩も抜き出ています。今回、ホームヘルパー2級の廃止、介護職員初任者研修の新設も、将来的には国家資格である介護福祉士の層を増やし、福祉・介護に従事するスタッフの質を上げることが目的のひとつになっているようです。

▲65才以上の高齢者が21%を占める超高齢化社会が目前に迫っている。

◆国家資格を目指すなら“三福祉士”の資格を!

数ある福祉・介護の資格の中で、今回は国家資格について検証してみます。

福祉・介護の国家資格のうち一番メジャーなのは「介護福祉士」でしょう。介護福祉士とは、昭和62年の法整備により新しく誕生した国家資格です。別名ケアワーカーと呼ばれ、自力で日常生活を営むことが困難な高齢者や障害者をサポートしたり、ご当人と介護者に対して、介護に関する指導やアドバイスを行ったりします。

介護福祉士の試験は、社会福祉新興・試験センターが実施。3年以上の実務経験者、もしくは福祉に関する所定の単位を修了した高校卒業者などといった要件をクリアしなければなりません。なお、国の指定した養成施設卒業者は国家試験不要となります。

資格取得後は、社会福祉施設や老人ホーム、障害者施設などで専門職員として従事するのが一般的ですが、医療機関やケアつきマンションで働いたり、介護の必要な家庭で介護スタッフとして活躍する人も増えてきています。

次に「社会福祉士」です。介護福祉士同様に昭和62年の法整備により誕生した資格です。生活困難に直面している人に対して、社会福祉の専門的知識や技術をもって相談に応じ、問題解決に向けて援助する専門職です。

毎年1回行われる国家試験を受験し、合格することが必要条件です。なお、受験するためには福祉系大学を卒業するか、実務4年以上+短期養成施設など、受験資格を満たしていることが前提になります。

就職先としては高齢者向けの介護施設や養護施設はもちろん、病院や保健所、生活指導員など行政の仕事にも社会福祉士の資格を活かすことができるでしょう。

3つ目の国家資格は「精神保健福祉」です。介護福祉士と社会福祉士と並ぶ福祉の国家資格でいわゆる“三福祉士”と呼ばれる資格のひとつです。

精神福祉士の業務内容としては、

(1)精神障害者の相談に応じる

(2)精神障害者に助言指導を行う

(3)精神障害者に日常生活への対応に必要な訓練を行う

などがあり、年に1回行われる精神保健福祉士の国家試験を受験し、合格する必要があります。

受験するには学歴や実務経験などの受験資格が設けられており、最短で資格取得を目指すなら保険福祉系大学などで4年間指定科目を履修することで受験資格が満たされます。

勤務先としては保健所など行政の施設や、精神病院などの医療機関などがありますが、多くの精神保健福祉士はケアセンターなど一般の精神福祉施設で働いている人も多いようです。

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2022.01.8

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