◆高齢化したペットを介護する専門家
近年、獣医学(医療、予防学、栄養学など)の進歩、飼主の意識の向上により、ペットの寿命が著しくのびています。その反面、従来はペットの病気としては少なかったガン、心臓病、糖尿病などの病気、足腰や関節、筋肉などの衰えによる身体的不自由はもとより認知症を発症してしまうペットが増えています。つまり、年老いたペットは人間と同じように介護の必要が出てきています。そこで、注目されつつある資格が「動物看護士」です。
全日本獣医師協同組合、日本小動物獣医師会、社団法人日本動物病院福祉協会(JAHA)などが実施している動物看護士の認定試験が一つの基準となっていますが、国家資格や公的資格ではなくあくまでも民間資格に過ぎません。そのため、「ペット介護士」「動物介護士」など、認定団体によってその名称も異なります。
また、動物看護のカリキュラムが組み込まれた専門(養成)学校が多数あり、各学校で独自の認定試験を行い、その専門学校が認定書を発行しているケースもあります。社会的な認知度やステータスはさほど高いものではありませんが、その分だけ動物介護士の資格を取得することは、さほど高いハードルとはいえません。通信講座でも取得が可能なので、これから田舎暮しを考えている人にとってはオススメの資格のひとつです。
◆独立して老犬ホームの経営者への道も
ペットブームの昨今、ペットを飼う人は、増えることはあっても、減少することはないといってよい状況です。実際、ペット関連の企業が急増しています。ペット介護士は動物病院をはじめ、ペットショップ、グルーミングショップ、ペットホテルなどさまざまな場で幅広い活躍が期待されています。
はっきりとした病気ではないけれど、「うちの犬、歩けなくなって、お散歩に連れて行けないんだけど、どうすればいいの?」といった悩みを抱えている飼い主も増えています。こういった飼い主の悩みに親身に答えてあげることができるなら、動物介護士の資格を持っているあなたを必要とする動物病院やショップはたくさんあるでしょう。
なかでもペット業界で注目を浴びているのが老犬ホームやデイケア施設、または訪問してペットの世話をするペットシッターの派遣会社などです。人間でいうところの老人ホームやデイサービス、訪問介護施設といったところでしょう。
飼育頭数の増加とともに、今後、これらの施設やサービスはさらに増加すると見られており、当然、ペットの介護に携わる動物介護士の需要も増すことが予想されています。
また、将来的には独立して、動物介護士の技術と知識を活用してこうした施設を運営することも可能です。そのためにはそのための土地代、建設代、スタッフの人件費などがかかりますが、土地代に限っていえば田舎暮しのほうが有利ですし、自治体からの補助金などの情報も手に入れやすいはずです。動物が好きで、将来ペットビジネスで起業をしようと考えている人にとっては、魅力的な資格といえるでしょう。
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