福祉・介護の仕事編 その3

◆リハビリの中核を担う3つの資格

リハビリテーションは福祉・介護の世界では非常に重要です。ケガや病気で入院するとどうしても身体機能が衰えます。高齢者の場合はなおさらです。2000年の介護保険制度の実施に伴い、何もかもを手助けするのではなく自立できるように促す、つまり自立支援が介護の大きなテーマになりました。

その結果、ケガや病気で衰えた身体機能を回復させ自立を促すリハビリテーションは、それまで以上に重要視されるようになりました。

そのリハビリテーションの3本柱と呼ばれているのが理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)です。

それぞれの役目を簡単にまとめると、

(1)理学療法士(PT)

病気や外傷、老化などで身体機能に障害をもった人に対して、座る、立つ、歩くなどの基本動作ができるように、歩行練習などの運動療法や、マッサージや電気、温熱、光線などを使った物理療法を用いて身体の基本的な機能回復をサポートします。

(2)作業療法士(OT)

病気や事故により生活能力に障害を受けた人や身体や精神に障害のある人に対して、指を動かす、食事をする、入浴をするなど日常生活を送る上で必要な機能回復をサポートします。

(3)言語聴覚士(ST)

病気や交通事故、先天的な問題などで言語や聴覚によるコミュニケーションに問題がある人に対して障害の程度を評価し、自分らしい生活を構築できるよう機能の改善や維持のために治療を行います。

となります。区別しにくいのは、理学療法士(PT)と作業療法士(OT)でしょう。前者は歩行練習などの運動療法や、マッサージや電気、温熱、光線などを使った物理療法を用いて身体の基本的な機能回復をサポートするのに対して、後者は手工芸、園芸、レクリエーションなどあらゆる作業活動を通じて治療を行います。また後者はそううつ病、摂食障害などの精神障害も対象になるのも大きな違いです。

◆超高齢化社会に向けニーズが高まる

▲医療分野だけでなく介護分野でもリハビリのニーズは高い

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は国家資格なので、国家試験にパスしなければ免許を取得できません。

国家試験を受けるための条件は以下の通りです。

(1)理学療法士(PT)

理学療法士養成学校または養成施設を卒業する必要があります。養成校には4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制、4年制)、特別支援学校(視覚障害者が対象)があります。作業療法士の資格がある場合は、文部科学大臣指定校か厚生労働大臣指定の養成学校にて2年以上の理学療法士の知識や技術を修得する必要があります。

(2)作業療法士(OT)

作業療法士養成学校または養成施設を卒業する必要があります。養成校には4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制)があります。

(3)言語聴覚士(ST)

言語聴覚士養成学校または養成施設を卒業する必要があります。養成校には4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制、4年制)があります。

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は、リハビリの職業の中でも中核をなす存在であり、医療・介護分野にとって非常に重要な役目を果たします。今後の超高齢化社会の到来などにより社会的ニーズが高まっていることが主な理由ですが、今後そのニーズはますます高まるのは想像に難くありません。

ですから都心部よりも老人医療や介護の必要性が叫ばれている地方のほうがその需要が高いと思われ、田舎暮らしをするうえで非常に有効な資格といえるでしょう。

雇用形態も常勤はもちろん、非常勤やアルバイトなど幅広いのも、田舎暮らしを考えるうえでは魅力的といえます。

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2022.01.3

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