自然・環境の仕事編 その1

◆“木のお医者さん”樹木医って何?

都会の喧騒を離れて田舎暮らしをするのだから、できることならば自然と触れ合う仕事をしたい、と思っている方も多いのでは。そこで今回から数回に渡って自然や環境と関わりがある資格を紹介します。今回は「樹木医」です。

聞きなれない資格かもしれませんが、樹木医は樹木の診断や治療、後継樹の保護育成、樹木保護に関する知識の普及や指導を行う専門家です。簡単にいうと、“木のお医者さん”といったところでしょうか。

平成3年にスタートした民間資格で、当時の農水省林野庁が「ふるさとの樹保全対策事業」として、(財)日本緑化センターに委託して開始された補助事業がきっかけで誕生した資格です。

環境汚染や病害虫などによって弱くなった樹木を治療するのが主な仕事ですが、宅地開発などで山を切り開く際に古木の移植を担当したり、街の造園計画や緑化計画に参画したりすることもあります。

また治療だけでなく、病気の予防や保護・育成も行います。公共性が高い仕事なので、田舎暮らしでも、その需要は高いといえるでしょう。

対象となる樹木は街路樹、公園、寺社境内などの一般樹木をはじめ、一般家庭の庭木、老木、名木、国や自治体などの指定天然記念物まで実に幅広い。自然が好きで、植物や樹木に関心がある人にとってはやりがいのある仕事です。

◆環境問題が注目されているだけに、将来性が高い

樹木医になるには、(財)日本緑化センターが実施する、試験に合格する必要があります。とはいえ誰でも受験ができるわけでありません。

(1)樹木の診断・治療に関する業務経歴が7年以上、もしくは

(2)業務経歴が1年以上の「樹木医補」。

という受験資格があり、業績審査を受け、筆記試験や面接などに合格すれば、樹木医として認定され、「樹木医登録者名簿」に登録されます。最終的な、合格率は20~25%と狭き門です。

ちなみに樹木医補とは、樹木医の門戸を広げるために、平成16年にスタートした制度で、(財)日本緑化センターが指定する大学で必要な単位を取り、申請すれば取得できます。

樹木医の資格取得者は独立開業するケースもありますが、その多くは、造園会社や環境アセスメント会社など、緑化関係の企業や都道府県の試験研究機関などで働いています。

資格も会社などに入社後に取得するケースが多いようです。

ですから資格取得をしたからといって、田舎暮らしですぐに役立つ資格ではありませんが、地球規模での温暖化や環境破壊などにより、環境への関心が高まりつつあることを考えれば、今後、樹木医の仕事はさらに増えていくと考えられます。

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2021.12.1

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