秋から冬にかけて、田舎は柿が溢れている…と思うのは私だけだろうか。 たいていの家の庭に柿の木があり、葉っぱが全て落ちてしまった今頃でも細い枝に撓わに 実がぶら下がっている光景をよく目にする。 あまりにも実が多くて枝がしなっているから、ひとつふたつ失敬して枝を軽くしてやろう… なんて思って、「ダメダメ、ひとさまのものだから」と思い直すのだ。 以前は私の家にも富有柿と百目柿の木があって、毎年食べ切れないほどの柿がとれた。 しかし、家を建て直す計画が持ち上がったので、庭にある植木や果物の木をどうにか しなければならなくなった。柿の木もそのひとつだったが、亡くなった祖母が 大切にしていた木だけに切り倒してしまうのは忍びなく、近所の植木屋さんに 預かってもらうことにした。 着々と家を建て直す準備をしていた矢先にリーマンショックが起こり、株価急落。 今も家は昔のまま、抜かれた柿の木は植木屋さんで根をおろしている。 しかし、家に柿の木はなくても食べるのには困らない。 「柿好きなんですぅ~」と触れ回っておいたせいで、近所の人が誰かしら 持ってきてくれるのだ。しかもどっさりと。 田舎の人は懐が深い。 さて、『柿が赤くなると医者が青くなる』という言葉があるくらい柿は栄養が豊富だが、 だからといって食べていれば絶対に医者の世話にならないということもない。 毎日好んで柿を食べている息子が風邪をひいた。 鼻水を垂らしながらも元気に転げ回っているし、たいしたことはないのだが、 一日仕事を休むことにした。 いつも寂しい思いをさせているぶん、今日は思い切り甘えさせてあげよう。 自然の恵みをいっぱい受けた甘く美味しいケーキを焼いて。
【柿と胡桃のケーキ】 <材料>(7カップ分) (柿ペースト) ・ 柿(熟したもの) 2個 ・ 砂糖 大さじ5 ・ マーガリン 大さじ1 ・ 洋酒 大さじ3 (生地) ・薄力粉 110g ・ ベーキングパウダー 小さじ1/3 ・ マーガリン 80g ・ 卵 2個 ・ 胡桃 適量 ・ レーズン 適量 <作り方> ① 柿は皮を剥き、1cm角くらいに切る。 砂糖を鍋で溶かし、焦げ目がついてきたところに柿を入れる。 一瞬キャラメルが固まりますが、さらに煮ていると溶けるので大丈夫。 ② 柿がどろどろになったら、火を止めてマーガリンと洋酒を入れてかき混ぜて 冷ましておく。 ③ 胡桃は適当な大きさに細かくしておく。 薄力粉はベーキングパウダーと合わせてふるっておく。 卵は黄身と白身に分ける。 ④ ボールに入れたマーガリンをよくかき混ぜクリーム状にし、卵黄をひとつずつ入れ、 よくかき混ぜる。 ⑤ 次にヘラに持ち替えて、薄力粉を入れ、切るようにしっかりと混ぜる。 ⑥ そこに②で作った柿ペースト、レーズン、胡桃を入れ、さらに混ぜる。 ⑦ 卵白をハンドミキサーでよくかき混ぜて、しっかりとしたメレンゲを作る。 出来上がったメレンゲを⑥のボールに入れ、泡を消さないようにヘラで下からすくう ように混ぜる。 ⑧ 生地をカップに流し込み、170度に熱したオーブンで25分、様子を見ながら 160度でさらに10分ほど焼く。
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